革新

ハンドルームのクローズアップ

第02号, 2019

ハンドルームのクローズアップ



IITマドラスの若い革新者たちが、手作業のスカベンジャーの問題に最新技術を活用した解決策を提供することを目的として、セポイ(SEpoy)浄化槽ロボットを開発しました

インドがデジタル時代に突入する中、最大の課題の1つは、総合的な開発に必要な手段を開発することです。技術に大きな進歩があっても、国のインフラレベルでは依然として、技術開発すべき範囲には莫大な余地があります。しかし、過去10年間に、若い世代から、国レベルで利益をもたらすような枠組みの前例のない進歩がもたらされてきました。最近の傾向として、2020年までに、インドは、ワーキンググループの人口が64パーセントを占め、平均年齢が29歳という世界で最も若い国となることが予測されていて、技術進歩がさらに加速されていることが予想されています。

スワッチ・ブハラトやデジタル・インディアなどのイニシアチブのような革新的な新興企業や資金的な支援を受けたミッションといった、政府の後押しを背景として、固有のインフラストラクチャ開発のための枠組みに国の若者が参画してきました。過去5年間だけでも、進歩を妨げるような様々な社会的なネガティブな要素を改善することを目的とする数多くの革新的プロジェクトがインド全土で進められてきました。多くのプロジェクトがアイデアを現実的に概念化する一方で、実現可能性と広範な適用によっても、未解決のままに残された課題も多く残されています。しかし、革新的な進歩により、インドの世界的なイメージを損なっている大きな問題のいくつかに対する解決に全国の学生が参加することも可能となりました。インド工科大学(IIT)マドラスのホールから生まれたそのプロジェクトは、衛生問題と手作業による掃除に関する問題を解決するために働いているいくつかのNGOの注目を集めることに成功しました。

すべての人のためのロボット工学
4年間の研究の末、IITマドラスはついに、手作業による労働者の貴重な命が危険にさらされている状況を改善することを目的とする、技術的に健全で独立した選択肢を見つけ出しました。このプロジェクトを担当している学生と教員は、固くなった廃棄物を切り取り、汚泥を排出し、最も狭窄した排水システムさえも清掃することができる遠隔管理ロボットを製作してきました。IITマドラスの非破壊評価センターのプラブフ・ラジャゴパル教授は、「この作業環境の中でロボットを動作させることは、大きな課題でした」と説明しています。研究開発チームにより、3つのプロジェクトが実施され、マスターの学生であるスリカンス氏によって開発された、独立型6フィンプロペラのプロトタイプを製作することに成功しました。

トとともに。セポイ浄化槽ロボット、ディヴァンシュ・クマール氏と彼のチームメンバー

プロトタイプの開発における大きな課題の1つは、その実現可能性でした。今日でも、ゴミの除去と処理のための機械化の方法は多く開発されていますが、現在の開発規模は200-500万インドルピーの範囲であり、全国規模で開発された事例を欠いています。プロセスの最初のステップとして、チームはスラッジを細断して均質化できるカッターを開発しました。そして、細断化されたスラッジは、真空装置を使用して吸引することができます。最初は単純化されたカッターモデルで作業していましたが、現在では傘のようなカッターを開発するに至りました。全国の手作業清掃労働者の権利のために働いている組織であるサファイ・カラムチャリ・アンドラン(SKA)との度重なる協議により、このIITマドラスの研究者のチームは、手作業清掃労働者の職場をなくさないような方向で、クリーナーの製品開発を行うことに成功しつつあります。セポイ浄化槽ロボットは、100-300万インドルピーの価格範囲で、手作業清掃の問題に、リスクのない解決策を提供する鍵を握っています。熟練した学生によって開発されたプロトタイプは、浄化槽の厚いスラッジを細断し、排水路をクリアするために、高速カッターを使います。しかし、指導教員は、さらにいくつかの修正を加えることで、プロジェクトの費用を大幅に削減して、幅広いアプリケーションを促進できることを期待しています。

セポイ浄化槽ロボットの開発において重要な役割を果たしてきた学生ディヴァンシュ・クマール氏は、手動清掃の課題は社会的および技術的問題の両方であると語っています。「私たちの立場からは、セポイロボットが実際に手作業のスカベンジャーとして働いていた人々によって操作されることを可能にすることにより、社会的障壁を乗り越えることができるような方法を技術的に提供することを試みています」と彼は言います。

セポイ浄化槽ロボットのプロトタイプ

スキルの宝庫
インドは、インフラや広範な開発に関連する困難度の大きないくつかの課題について、革新的な方法で、技術的に健全な解決策を提供するような方向で、注目すべき成果を挙げてきています。開発成功への道における大きな壁を越えるための革新的かつ簡単な解決策を見出す方向に向けて、国の堅固な高等教育システムと若者の精神への信頼性が高まっていると言えるでしょう。研究開発機関、特にインド工科大学(IIT)は、様々な分野の基礎となる理論を現実世界での実用的な応用化することに焦点を合わせています。教科学習では「ブレーンストーミング」のテクニックを奨励し、プロジェクトの実現可能性について学生と教授の間には自由な交流があります。さらに、インドは多数の多国籍企業による生産の中心地となり、学生の海外移転はこの10年間でかなり減少しています。

あらゆるリサイクル可能な廃棄物にきれいな飲料水を分配する機械から、視覚障害者のためのスマートケイン(SmartCane)技術まで、さまざまな研究開発機関を卒業した若い発明家たちは、インドの発展というミッションに力を注いでいます。10代のオタク世代から驚くべき発明家たちまで、インドの若者たちは間違いなく国の最大の救世主となっていると言えるでしょう。

ヴィネヤックスーリヤスワミ

ヴィナヤク・スルヤ・スァミはデリーに拠点を置くジャーナリストです。彼は機械工学の学位を取得し、インド海軍で見習いの造船技師として働いてきました。10代の頃からパートタイムで作家をしていた彼は、執筆と旅行の楽しみを追求するためジャーナリズムの道へ切り替えました。
error: Content is protected !!