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国連における多国間協調主義改革の呼びかけ

第05号, 2020

国連における多国間協調主義改革の呼びかけ

Asoke Kumar Mukerji |著者

第05号, 2020


長年をかけて国連でのインドの位置はより一層際立ったものになってきています。国連総会で最近なされたナレンドラ モディインド国首相の演説の背景となる理由についてアソケ クマル ムケルジ大使は熱烈に期待されてきた地球全土にわたる連携の改善についてのインド国の要望をこの首相の演説でこの題目の更なる探求の必要性を強調したものであると解釈しています。

ナレンドラ モディインド国首相は今年開催されたこの世界をまたぐ組織である国連の75回目の記念イベントに際してインド国の国連(UN)への献身度の大きさを再確認しました。彼が繰り返し訴えている“改革を加えた多国間協調主義”のなかには共鳴を呼ぶ三つの主題があります。それらを挙げると国連安保委(UNSC)における決定権の民主化への過程を完遂させること;開発に関する問題を国連業務の最重要度に位置つけること;国連の保有する機能を複数の利害関係者の合意を図る手段に委ねて問題に効果的に対処させることです。

モディ首相がヴァーチャル国連総会の会議でビデオ演説を記録しているときのスクリーンショット。この総会は2020年9月15日と30日に開催されたものです。

“改革された多国間協調主義”達成の呼びかけはインド国の外交政策の必須事項となっていて、インドは自国の多国間システムへの関与を最大化して21世紀の世界の主要勢力へと変換を図ることに拍車をかける意図をあらわにしています。一世紀前には一千参百万人のインド兵が凱旋を遂げた連合軍に加わり、第一次世界大戦での勝利を確保し、インドが1919年のヴェルサイユ条約の調印式に加わることを確実にし、結果としてインドは国際連盟の設立メンバーのうちの一国になりました。第二次世界大戦では2千5百万人を超えるインド兵が出願兵として連合軍に加わり、インドが1942年のワシントンでの“国連宣言”の署名に参加し、1945年のサンフランシスコでの国連憲章にも署名することになりました。世界の総人口の1/6の人口を擁し豊かな民主主義を奉じる国としてインドは機能的な多国間協調システムにおける主要な利害関係国となっています。

2020年7月17日に開催された国連経済/社会問題協議会の首脳者会談において行われたモディ首相の呼びかけに続いて、彼は2020年9月21日に開催された国連の設立後第75周年の記念サミットで現代における挑戦事項と人類福祉に焦点を当てた演説を行いました。2020年9月26日の国連総会での総合討論会のインド首相の演説は“改革された多国間協調”に対するインドの見解の概要を述べたものでした。

このインドの見解の中心をなすものは国連加盟国が“現在発生している挑戦項目に期限切れの構造論をもって抗戦することはできない”というインドの信念からなりたったものです。説得力のある改革なくしては、国連は信念を持てないことという危機に直面することになります。” 国連の骨組みのなかで合意、あるいは多数決による決議という民主的原則を阻害する唯一の構造体はUNSC(国際連合安全保障理事会)であり、そこではこの理事会の5つの自己選択の民主的決断の拒否権がその民主的決断を受け付けないという事態になっているのです。

ニューヨーク市にある国連本部が会員国の旗を立てて建っている風景

インド国首相は国際連合安全保障理事会が市民戦争とテロリストの攻撃を含む紛争でその結果何十万人もの子供たちを殺してしまうことになった結末を回避することに失敗していることを厳しく責めました。これらの紛争で何百万人もの人々が紛争に基づく結果によって難民となったのです。インド国首相は多くの国連加入国が国際連合安全保障理事会に平和と安全を確保するように援助したことで相当量の貢献をしたにも関わらずこのような事態が起きてしまった事実を述べました。首相は国連の50を超えるミッションで24万人からなるインド軍隊を以て貢献し、インドの勇敢な兵士たちが国連の和平監視員たちのなかから出た犠牲者の大半を占めることになった事実をこの演説で聴衆に思い起こさせました。

2020年6月にインドは国連総会での193の投票権のうち184票を獲得して国際連合安全保障理事会の2021年から2022年までの2年間の就任権国として選出されました。インド国首相は“インド国民は長い間国連の改革が完了することを待っていたのだ”と述べました。彼は“こんにち、インド国民はこの国連改革がその論理的に完全な結末にいたるまで完遂されるかに関心を寄せている。なぜなら、インドがどれだけ長い間国連の意思決定構造からはずされているかと思いますか?”と彼の演説を補足しました。

インドが求める改革済の多国間主義は平和と安全、それに発展の三つを内部連結することに焦点を当てた多国間協調主義なのです。効果の認められない国際連合安全保障理事会はインドのアジェンダである2030年代の持続可能な開発目標を達成するインドの国家一丸の努力を無に帰することになりかねません。10年先の国際連合の仕事ぶりを予測することの適切性はインド国首相が言及する2015年から導入されている主要な開発構想のいくつかで解説されています。国連加盟国がどのように“改革して実践して形成するか”を示すことで、首相は過去5年間のインドにおける“組織変革“をリストにまとめ、その変革によって何千万ものひとびとが正式な金融部門にアクセスすることができるようになり、または正式金融部門の束縛から自由になり、無料の健康管理サービスの恩恵に浴せるようになりました。起業家精神並びに指導者精神を高揚させることで女性の立場を高めて小規模金融の利用を可能にさせ、産前産後の有給休暇を可能にしたことでインドの差別撤廃の開発政策は差別のない開発政策に必須の条件としての効果を齎すものでした。インドは”ディジタル通貨を使用しての取引において指導者の立場にいる国々の一つです”とモディ首相は宣言し、“自給自足のインド”政策は現在蔓延っているコヴィド-19のパンディミックの鎮静後の全地球経済の力の増強要素となることでしょう。

首相はインドがインドの現在に至る発展についての経験を他国に分かち合って多国間協調主義の土台となる国際協力の原則を導入する実行可能な方法として役立てることに尽力すると決意しています。  持続可能な開発目標を掲げて努力してきたインドのこれまでの経験に基づいて、インドは世界的目標を達成するべく“複数の利害関係者を基礎においた”アプローチ方法を提唱しました。この方法は“州と各州の政府と市民団体、共同生活体、そして全部の人々”の間の結束を必須とする方法です。様々な地球規模の主導権を駆使して平和、安全そして発展へと導く地球全体的な針路をとるためにインドが国際関係を成功的に保ってきた経験は今までの成功と同じように複数の利害関係者のアプローチによって持続状態を保ってきたことで達成できたのです。

国連はすでに複数の利害関係者がチュニスアジェンダの名のもとに国連の活動に参与する方法を取り入れてきていて続伸の道をたどるディジタル需要と持続可能な開発目標を達成するべくアジェンダ2030に対応しています。民主的決断に基づき、優先権を持つ開発、それにすべての利害関係者からなりたつ“改革された多国間協調”を求めるコールはインドの外交政策を目指して臨界期に達しています。国際連合安全保障理事会で選出された非永久的メンバーであるインドの役割と2021年から2022年までのG20でインドに約束された議長席はインドが国連を改革し変容させる指導的役割を担うための機会到来の入口をインドに開くものとなります。

Asoke Kumar Mukerji

Diplomat Asoke Mukerji was India’s ambassador and Permanent Representative to the United Nations in New York (2013-2015)
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