料理

お皿に山盛りの伝統

第01号, 2020

お皿に山盛りの伝統

ムナフ カパディア |著者

第01号, 2020


他の典型的食事方式とは異なって、伝統のボリー料理の食事方式はデザートから始まります。グジャラットと中東の味と香りと料理方式に影響を受けたボリー料理はついにインドの美食料理の場でのその料理の愛好者たちを生み出し始めたのです。

私が10歳ごろのことですが、級友が私に私がインドのどの地域の人間なのかと尋ねました。私はボリムスラムよと答えました。級友はもっと探りを入れてきて私の答えがどういう意味なのかと尋ねてきましたが私にはもうそれ以上の説明はできませんでした。その晩私が帰宅した時に今まで何度も聞こうとして聞かなかった私達の共同体のルーツについてのもっと詳しい話を尋ね始めました。 私が成人してからもずっと私はなぜ私たちの同一性、文化、そして料理が皆に謎のままにされているのか不思議に思っていました。特に、私達の食物は私たちの先祖が最初に定住したグジャラット由来の味といくつかの共通点を持ち、インドの他のムスラム共同体が普段から摂っている料理をも含まれているのですが、しかしそれにもかかわらず私達の料理はそれ自体としての特異性を保っているのです。

ボリー共同体では食事はデザートから始まり、つぎに小皿のアピタイザーが出されて、それからメインコースが始まるのです。ボリー達はサールと呼ばれる3.5フィート幅のスチール皿に盛られた料理を囲んで床に肩を並べて座ります。私達がサールを(たとえて言えば)ピザをスライスするように切り分けてスチール皿の中央に積み上げてある小皿にのせてそれを各自が自分で取って食べるのです。食事の初めに、もっと小型のサールが出され、その上には調味料セットが皿の縁に置かれていて、ナマク ダニと呼ばれる小型の塩壺が皿の中央に置かれているのです。

味のいいラガン ニー シーク – マリネしたマトンのミンチで作られた評判高いボーリ料理

初めのコースが始まる前に、サールの側に座っている一番年若の人がナマク ダニを手に取って、それを他の人たちに回します。食事を始める前に塩の味をみるというアイディアは塩が抗バクテリア機能を持っていることに基づいていますが、それよりももっと重要なことは現実に食事が始まる前に塩をなめて食欲を刺激するということです! 塩の味を確かめてから、ソダンヌ(100粒の米)と呼ばれる甘味をつけた米料理を皮切りに食事を始めるのが幸先のいい食事の始め方とされています。ギイ(すましバター)を入れて料理されるこの香りのいい料理はボリーの慣習であるクハーラーズ ミーハズを意味し、この料理では英国料理のセイボリーのかわりに甘味の料理を使います。これは絶えず舌味を調えなおすためのもので、こうしてコースごとにその香りが確実に味わえるようにするのです。

ボリウッドの俳優リシカプールはボリキッチン(TBK)で食事を楽しんでいます。

もっと手の込んだボリー ターズではソダンヌを取り替えたりアイスクリームやスフレで対応することもあります。このあとで初めのコースの前菜が供されます- 大概はクヒーマー・パティー・サモーサーズと称するスモークマトン(香り付けしてスモークしたミンチ肉を手で包みこんだフィロペーストリー)です。私達は非常に真剣に食物を摂ります;この真剣さはもしあなた方が熟練したボリー共同体の一員がサモサ(油をたっぷり使って揚げた三角形のセイボリーで味付けの済んだ野菜又は肉が詰められている)にかぶりつく前に数滴のレモン汁をサモサに絞り入れているのをご覧になれば理解なさるでしょう。彼がこうする理屈はレモンの酸味が肉に加えられている燻蒸措置を活性化させるからというわけです。クハーラーズのコースが終わるとミーサズ(菓子)のコースになります。

菓子で舌の味見を調節しなおして後、出てくるのはレッド マサラでこれはヤギの脚をスライスして2日以上マリネしたものです。この料理はボリーの料理では定番で、ゆっくりと辛抱強く料理すべきであると信じられています。ラーンは真正の生姜と大蒜ペーストのマリネ漬けに、ダニア(コリアンダー)、ジーラ(クミン)、ターメリックそれにチリパウダーを一振り加えたものです。食卓に供される直前に、又、数時間凝乳に漬け、それから2,3時間ムトンが口の中でとろけるほどの柔らかさになるまで強火で煮込みます。この料理はサリ ウエファー(ポテトの小片)を付け合わせ、コリアンダーで飾ります。

最後に一皿か二皿の甘味料理のあとで、ジャマンと呼ばれるメイン コースが始まります。この料理は通常は伝統的なデュム ビリャニ(飯と肉の料理)でポテトと一緒に調理されます。インドのような広大で多様性のある国には数えきれないほどの料理法が存在し、それぞれがお互いにより目を引く料理でより興味深い料理なのです。しかし、そのような料理が提供される伝統に基づく様式は文化の醸し出す誠実さを如実に表しています。調和と友人、家族、知人と一皿の料理を分かち合うことから生じる親しさの感情はその象徴的な形とともに、また、その中で、我々の間にある多くの違いを祝福するものです.

ムナフ カパディア

ムナフ カパディアはボーリ キッチンのCEO(チーフ イーティング オフィサー:食べる主席官)。ボーリ キッチンは家庭的な食堂で14人の客が唾の出るような美味しい六つのコース料理を楽しんでいるところ。ムナフは料理の芸術への彼の愛を追求して4年半にわたってのオンライン広告歴を持つ人です。
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